私のシャングリラ-亜丁
私のシャングリラ-亜丁
シャングリラとはチベットに有ると言う理想郷の地名とされています。 イギリスの作家、ジェームズ・ヒルトンが1933年に出版した小説『失われた地平線』の中で創造した架空の桃源郷です。 中国四川省稲城県に有るチベット族の小さな村、亜丁はその独特の雰囲気・風物から最後のシャングリラとも呼ばれています。 域内には菩薩の化身とされる3聖山-チェンレースィ(6032m、観音菩薩)、チャナドルジェ(5958m、金剛手菩薩)、ジャンベーヤン(5958m、文殊菩薩)-が神々しい姿態をさらし、山裾にはコバルトブルーの氷河湖オロン・ツォ(4500m)、真珠湖の様なテンジン・ツォ(4600m)が静かに身を横たえ、訪れる人に何事かを語り掛けてきます。 2011 年初春、チャナドルジュの麓で季節外れの大雪に遭遇し、疲労困憊して退却した私を見かねた放牧小屋のチベットの娘にまねかれ、温かい囲炉裏端で食事を御馳走になりました。 ガツガツ食べる私を見守る眼差しはまるで菩薩の様な慈愛に満ちていました。 その時気づきました、そうです、亜丁こそ私のシャングリラだと。
ジャンベーヤン麓のオロン・ツォ、 テンジン・ツォ
初夏のチャナ・ドルジェ
真冬のチャナ・ドルジェ
by kenkaminaga
| 2017-01-11 12:09
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